全く同じ作りのセミ・デタッチの家。色を変えるとこんなに雰囲気が変わるというサンプル。

全く同じ作りのセミ・デタッチの家。色を変えるとこんなに雰囲気が変わるというサンプル。
ホーニマン博物館。
長年ここに来ようと思っていたのですよ。
どのぐらい長いかっていうと1996年から。
日本から持ってきた雑誌に載っていたホーニマン・ミュージアムはアールヌーボーの建物に分類されます。ハリソン・タウンゼントによる世紀末の傑作(とその雑誌にはありました)。
ロンドンにあるからいつでも行けると思っていたらあっという間に28年経ってしまいました。
これは早く行かないと死ぬ時に「ああ、まだ見てなかった〜」と後悔するなと思い、やっと行ってきたという訳です。
ロンドンといっても南ロンドンで、地下鉄でなく地上の電車を乗り継いで我が家から1時間以上かかるので、天気のいい日を選んでみました。
展示にはあまり興味がないのと、学校の遠足か何かで大量の子供達でわやわやしていたので、さっさと見学を終え肝心の建物をじっくり見ようとしたのですが、その部分はスタッフだけしか出入りできないことが判明。
大ショック!!!!!!!
28年(勝手に)待ったのに!
1時間以上かけてきたのに!!
肝心の美しい建築部分はメインの道路側にあって柵に隔てられているのです。
柵に手を突っ込み頑張って写真を撮る私はおそらく怪しい変な人。
とりあえず撮れる写真を撮ってまた1時間以上かけて帰路に着く私でありました。
頑張って撮った写真たち。
息子が私の誕生日にレストランの食事をセッティングしてくれました。
場所はSohoのMountain。
「Mountainと聞くと頭の中でフェリックス・パッパラルディの声が頭の中でぐるぐると響くのですが、これを分かち合う人が近くにいないのがちょい寂しい。
木をベースにしたインテリアのカジュアルな作りのお店です。
まず、パン。激うま。
フリット。なんのだっけ??アーティチョークだったかな??
ビートルートのサラダ。
グリルしたアスパラガス。卵の黄身と共に。
トリッパ。
スパイダークラブのオムレツ。プロの作るオムレツは美し〜!
卵の黄身とトリッパのトマトソースのためにフラットブレッド、追加。
謎のソブレサーダ。ソーセジ的なもので焼くか生かと聞かれたので生を。
そして、マトン。普段マトンってあまり食べないのですが、これはめちゃうま。
結構お腹パンパンだったのでデザートは無し。
この店は3〜4人でオーダーーしてシェアすると楽しい。夫もいて3人だったので程よく色々食べられました。
息子にどうやってこの店を探したのかを聞いたらレストランで働いている友達が教えてくれたうちの一つだそう。
食べ物好きな息子で幸せ。
数年前、「ロンドンでは最近雀を見ないのですが」と雑記に書いたことがあります。
そう思ったのは私だけではなかったらしく、新聞にも雀を目にしない理由を知っている人がいたら教えてくださいという記事が載ったくらいです。
コマドリや他の小鳥はいるのですが、なぜか雀がいない日々が続いていたのですが、なんと最近、うちの近くで雀が見られるようになったのです!!
我が家はメインの道に面しているのですが、側道に入ると雀がばっと飛び立つこともしばしば。
側道の方が静かだから雀が住みやすいのか?と思っていたある日のことです。
ロンドンのうちの区では食べ物ゴミは週に一度ゴミ収集車が持っていってくれるので、食べ物ゴミのゴミ箱を前庭に置いているのですが、そこにゴミを捨てにいったらなんだかちっちゃいものがちゅんちゅんしているではありませんか!!
慌てて家に入り携帯を持ってきてもまだいます。
ぴょんぴょん跳ねていますが、どうやらまだ飛ぶことができない巣から落ちてしまったの子供の雀のよう。
ググると、おそらく近くに親鳥がいるはずだから手は出さずにしばらく見守る。親が来ないようだったら、カップなどの容器にティッシュを敷き、子雀を入れて安全なところに置く。ですって。
うちの近くは猫だけでなく狐もいるのでドキドキしながらこっそり様子を見守っていると子雀は前庭の生垣の藪の麓にいます。目を凝らして見てみると親雀が藪の中にいて、階段のようにぴょんぴょんと枝伝いに上に上がっていくのを教えているらしかったです。
そのうち子雀も枝伝いに上に上がっていくので巣に戻っていくのだなと安心。
ということは我が家の前庭でいつも何かちゅんちゅん聞こえていたのは雀の巣であったことが判明。
私は野鳥の観察のような素敵な趣味はないので鳴き声ではなんの鳥かはわからなかったのでした。
ということで気がついたら我が家の前庭は雀のお宿だったというわけです。結局見ていただけで何もしなかったけど子雀を助けた気分。
お礼に大きい葛籠ちょうだい!
無事にフィレンツェからロンドンに戻ったら、フィレンツェの友人からナショナル・ギャラリーでシエナ展をするというお知らせもらい、この熱気が冷めないうちにと出掛けて行きました。
カラヴァッジオも開催されていて皆さん列を作っておりました。
しかし、シエナ展、見つかりません。
その辺にいたスタッフに聞いても首を傾げるばかり。
もう一度友人が送ってくれた情報を見てみたら、5月は5月でも2025年の5月からなのでありました。
…でも、まあ、ナショナル・ギャラリーにもルネッサンスの絵画はあるのでそれを見ることにしました。
元々、シエナ展を見たい後にルネッサンス・セクションも見ようとは思っていたので、いいもんね!と見始めたのですが、思ったより多い。
ついでに見るのは無理な分量。
いやあ今更ですが、ナショナル・ギャラリーのコレクション、素晴らしいですね。無料だし。
これは私が好きな(いつから?)チマブーエ。13世紀のもの。
こちらは15世紀初頭のロレンツォ・モナコのもの。
青とピンクの発色が鮮やかな絵がこの時代から多くなったのは絵の具が発達したから?それとも昔の絵は彩度が落ちた?どちらにせよ、15世紀の絵は華やか〜な感じになります。
幼いキリストの顔がツボにハマったマザッチオ。
拡大図。
左側の群衆はボッティチェリ、メインはフィリピーノ・リピという合作。
こっちはフィリピーノ・リピのお父さん、フィリッポ・リピ。
ピサネロの聖アンソニーと聖ジョージ。なんか聖ジョージがめちゃくちゃおしゃれなんですけど。帽子の鍔広いし、鎧身も白いし。白は私にとってはおしゃれ強者の色なんですよね。トマトソースのパスタをうっかり食べられないじゃないですか。私はなかなか着られない。
これはダッチなマリア様ですね。バックが黒い!(多分)アントネッロ・メッシーナ。
これは…15世紀なのにデッサンがヘンテコなビザンチンっぽい聖セバスチアン?
服着ていないセバスチアンに対し、ゴージャスな衣を纏っているのは聖ファビアン。
普段は青い服が多いけど、これも白を着たおしゃれ強者の聖母マリア。
拡大すると服の素材の豪華さが際立ちます。
さて、私がナショナルギャラリーで見たかった絵はジェンティーレ・ベッリーニのメフメト2世の肖像画。
しかし、貸出中で見られず。
その弟のジョヴァンニ・ベッリーニのベネチアの元首レオナルド・ロレダンの肖像。
なんかこの絵、大変好きなんですよね。あれ?私昔こういう形の帽子を持っていた気がする…
こんな感じのチョコレート色の帽子。一体私はこれをどこに被って行ったの〜????
最終日はサンタ・マリア・ノヴェラ・教会見学。
こういう感じの装飾の他の教会は予算の関係で19世紀に工事が終わったそうですが、ここは当時のものということです。
ジョットの「磔」。
このネーリ・ディ・ビッチの「受胎告知」は修復中??なんで白くなってるのだろう?
マザッチョの「三位一体」は修復中だったのですが、コーヒー1杯くらいの値段で覆いの内側が見学ができます。迷わずゴー。細かく稼ぐ教会。今度来るときは足場が無い状態で見たいものです。
そういえば修復で思い出したのですが、フィレンツェは1966年の大洪水でほぼ一階分の高さの建物が水没。かなりの被害が出たそうです。世界中の美術館から修復の申し出が殺到したのですが、絵を各所に送るのではなく修復師にフィレンツェに来てもらって修復するようにし、その結果フィレンズェは修復のハブになったと、昨晩友人が教えてくれました。
教会の中とか街中に洪水の時ここまで水が来たよという表示があってそれを写真に撮った…はずなのですが、見当たらない。うむむ。
教会内にはスペイン人居留者のためのスパニッシュ・チャペルがあるのですが、壁に絵がぎっしり。
悪魔が可愛い気がするのは気のせいか?
大きくしてみます。
お昼は近所のTrattoria Marioneで。
アーティーチョークのサラダ。
多分猪の煮込みとポレンタ。メモしとかないとダメですね。
きのこのリゾット。
しっかり食べた後トラムに乗ってスムーズに空港へ。
思った以上に見どころぎっしり。見てないところも結構ありました。また行きたい〜。ともかく、充実のフィレンツェ旅行でした。
午後はパッラツォ・ダヴァンザッティ。
住宅です。
大きい。
個人の井戸は金持ちの印。ですって。
壁紙ではなく直に装飾。
よく見ると後ろ足しかない狼。
トイレ、お風呂も。
小さいボッティッチェリもあり。
キルトも展示されていました。白いからちょっとわかりにくいかもしれませんが細かい!!
ストロッツィ宮殿ではアンセルム・キーファーのフィレンツェのための展示会もあったのだけれど「もうルネッサンス以外絵を見るの体力は無い」と拒否。夫は見たかったみたいだが。
一旦アパートに戻って一休みし、私の高校時代の友人とその息子さんとの会食に向かう。ほぼ40年ぶり。すごいでしょ?彼女が予約してくれたレストランまで40分くらいの距離なのでバスで行くことにしたら、そのバスがなかなか来ない。運行表にあったバスが3本来なかった。40分待った時点でこれは歩いていたらすでについているはずと気がつき、慌ててウーバーを手配。
ほぼ30分遅れで待ち合わせのTrattoria Armandoに到着。心配して外で待っていてくれた友人と感激の再会。
アーティチョークのフリット。
そしてビステカ。
美味しいトマトのパスタも煮込みもあったけれど、再会がメインなので写真は撮らなかった。
40年のギャップもなんのその。私たちは時をかける女子なのであった。
サン・マルコ修道院に行ってきました。
ここのお目当てはフラ・アンジェリコ。
階段を上がったところにドーンとあります。
この日は快晴。
お祈りをする為の個室には壁に絵が描かれています。
ここに来る前、フランチェスコ派とドメニコ派の違いがよくわからなかったのですが、黒マントを羽織っているのがドメニコ波。
このマント、ブラック・フライアーと言います。ロンドンにもそういう名前の駅があります。
というわけでここの教会はドミニコ派。
フランチェスコ派は縄で衣を縛ってます。これはロンドンのナショナル・ギャラリーのボッティチェリのサン・フランチェスコ。
最後の晩餐。
ドミニコ派の修道士で反メディチの神政政治を行ったが法王によって焚刑されたサヴォナローラ。
火炙りの図。
修道院の図書館。
フラ・アンジェリコによる楽譜が展示されていました。
お昼はマーケットに行ったのだが選択ミス。注文したものが今ひとつでした。なので食べ物の写真無し。
修道院で好き勝手なことを言ってからバチが当たったのか??くすん。
昼のあとはサン・ロレンツォ教会に接続しているロレンツォ・メディチ・図書館へ。
コジモ・ド・メディチがイスラム経由で手に入れたギリシア哲学などの蔵書などを保管するためにが作った図書館。
当時のイスラム文化圏のレベルの高さが伺えます。
ミケランジェロが作った階段を登って入って行きます。
また一旦アパートにもどり、今回はバスでアルノ川の向こうのEssenzialというレストランへ行く。
すでに予約時にテイスティングメニューを夫が頼んでいた。
イカ墨のワッフル。
柔らかくローストしたビートルートにサヴァイヨン・ソースをかけたもの。これは新しい食べ方。
オレンジ風味の出汁と海苔を乗せた牛肉。
一緒に食べるように勧められました。
こういう海苔のような日本的素材が海外で使われるとなんか嬉しい。がんばれ海苔。
小さな貝とパンのスープ。パンといってもブレンドされパンの感じはない。
トルテリーニ。
鱒を焼いてその上に大根サラダを載せ、カリッと焼いた鱒の皮をのせたもの。下には大根のクリームが敷いてある。
写真がボケているのは甘いものに対する愛が足りないからだろうか??これなんだっけ?
デザートだと思うけど。
こっちはゴルゴンゾーラのアイスクリームだったと思います。
この日はこれもまたメインのアカデミア美術館へ。
最初の部屋がめちゃ混みだったので奥に進むと、おお!ギガンテというあだ名の巨大なダビデ像が。人は多いものの大きくてしかも台に乗っているので写真は撮りやすいのであった。
当時の設置時は家一軒引っ張るくらいに重かったらしい。
調子に乗って四方八方から写真を撮る。
ザ・マスター・オブ・ストラウス・受胎告知のマリアはよく本を持っているのですが、なんの本なのでしょう?聖書じゃないよねえ。
ヴァルドヴィネッティの三位一体と聖人の天使はちょっとポニョ的。
私の好きなチマブーエか??と思ったらさらに後期の14世紀のイタリアン・スクール作となってました。
お昼はTrattoria Mario再訪。
トルテリーにを分けて前菜にし、私はまたトリッパ、夫はウサギのロースト。一応野菜も取りました。