貴族は長靴

義父がまだ存命でベルファストに住んでいた時のこと。義父を訪ねて滞在中、彼の用事でとある貴族の御宅になぜかくっついて行ったことがあります。その御宅、サミュエル・ピープスの日記(1660〜1669)の中に新築当時のことが出てくるという大変古いお屋敷。(羊が草を食む広大な敷地に囲まれ、すでに廃墟になった教会もその敷地内にありました)

ちょっと緊張したのですが、相手はデニムに長靴というカジュアルな姿。そしていたって気さく。「牡蠣が届いたばかりなの。食べてく?」というお誘いにベジタリアンの義父と牡蠣が好きでない夫を差し置いてゴチになる私。「普通遠慮すべきなのに、これだから平民は」とか言われなかったことを祈る。牡蠣をもらったせいか奥様の方しか覚えていない。義父が用事があったのは旦那様の方。

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