日本から高校時代の友人Mちゃんがやってきました。
早朝の飛行機だったので午前中に到着し、スーツケースを置いて、お土産類などもいただき、一息ついたところで、「あれ?」
空港から背負ってきたリュックサックがないことに気がついたのでした。
うちに到着して〜、荷物を置いて〜、キッチンに移動して〜、と動線を確認しましたが、何しろ大邸宅ではないので動いたところは全長3メートル。
全くそのリュックがありません。
Mちゃんは空港からエリザベスラインに乗り、トッテナムコートロードで降り、タクシーが捕まらなかったのでそこからバスで来たのですが、いろいろ考えてバスに忘れちゃった可能性、大。
とりあえずLost ptopertyのサイトを見つけ使用したバスの番号を入れると該当の事務所の番号が出てきたので即かけてみると、「運転手がバス内で見つけたらこの事務所に持ってくるけど、今のところ該当するリュックサックは来ていなわ〜。この事務所、土日は休みだから月曜日に電話してねっ」と事務所の女性。
このことを家にいた夫や息子に話すと「ん〜〜〜〜〜〜〜、出てこないかもね」と悲観的な反応。
リュックの中身はiPad,iPodなど置きっぱなしにしちゃったら盗まれそうなアイテム。
チャージャーや、レンタルWifi なども入っていたので、Mちゃんには超不便。
なくなっちゃったら保険で補えるかなどということも考え、Mいろいろ調べるが、とにかく月曜日までは何もできないのだから、とりあえずプチ観光でもしましょうと出かけました。
Mちゃんが使ったバスは降りたバス停の二つ先が終点で、バスが溜まっている所があります。
どうせ途中だからダメ元で聞いてみようと、そのバスの溜まっている所にあるプレハブの建物がおそらく運転手さんたちのハブだろうと、ノックしてみました。
事情を説明すると「ああ、そのバスもう出発しちゃったよ」
すると別の運転手さんが参入してきて、リュックサックだったら見たよと教えてくれました。
バスに忘れ物があった場合、運転手は運転席の足元にそれを保存し、事務所に届けるそう。
だからもしかしたらそのバスはまたここに戻ってくるかもとそのバスの番号を教えてくれました。(これはナンバープレートとは別)
私もMちゃんもリュックサックのことで心が落ち着かないので、とりあえず、そのバスが戻ってくるのを待ってみようということにしました。まさんにバスが戻ってくるところにカフェがあるので窓際の席を陣取りそこで待機です。
この出発点から終点まで1時間ほど。なので帰ってくるのは2時間後。そのバスがいつ出発したのかははっきりわかりませんが、Mちゃんが我が家に着いたのが10時ちょっと前だったので、12時くらいにはそこに目当てのバスが戻ってくるかもと、バスが入ってくるたびにバスの番号をチェックする目つきの悪い日本人の女二人。
そして、目当てのバスがやってきたのでMちゃんはバスに向かってダッシュして運転手さんを捕まえました。
すると、「ああ、その運転手はもう交代したよ」
ひええええええ。
私たちその日はもう運転手を捕まえるのは諦め、プチ観光をしました。
家に戻ってきて「もしかして荷物が届いているかも」と思い、再度事務所に電話すると、もう私がまたかけたことがわかったらしく、「月曜日にかけてって言ったでしょ?まだないわよ」と言われてしまいました。
途中で誰かが持っていってしまったのならともかく、運転手さんにまで届いているのであれば出てくる可能性が高くなった!!と楽観的展望で落ち着かないながらも土日の観光をこなすMちゃんと私。
さて運命の月曜日、事務所に電話をすると「取りに来ていいわよ」とその女性。
名前も聞かれてないけどいいんですか??と思いながらも感謝。
偶然、Mちゃんは月曜日に我が家からホテルに移動することになっていて、事務所のあるバタシーはそのホテルからそんなに遠くないということがわかり、ホテルにスーツケースを置いてから事務所にリュックサックを取りに行くという算段になりました。
もしかしたらMちゃんが降りたバス停は終点に近かったのでもう人がいなくて無事に運転手さんにリュックサックが渡ったのかもしれないが、金目のものが入っていて見つかったのは本当にラッキー。
これをロンドンの奇跡と私が勝手に名づけました。

凄い凄い!
強運の持ち主Mさん。
これは競馬で勝負した方が良い!
馬ですね?伝えておきます。
他に言葉が見当たらないほどに奇跡だ、、こんなことってあるんですね!これこそ漫画になりそう、、こんだけいろいろあって(しかも金目のものがそれだけ入っていて)、数日後に再会できたってところが感動極まりないです。何より、リュックサックがこんなに愛しく思えるエピソード、リュックサックもきっと持ち主さんに会いたくてしょうがなかったんだろうな、、と相互作用があったような気すらします。先生もご友人M様もおつかれさまでした。きっと数年後には素晴らしい思い出になっているはず。
雑記にも書きましたがおそらく終点に近かったから直接運転手さんが見つけたのだと思います。自分の荷物じゃなかったけれど、やはり出てくるまでドキドキでした。
今回はお世話になりました。
バス会社の窓口に取りに行ったら、担当の女性が出てきて、「あー、あなたね」と何も確認することなく、カバンをポイと渡してくれました。
「運転手さんにありがとうって伝えてください」そう言ってカバンを抱え、そそくさと会社を後にしたのでした。
ロンドンの奇跡に大感謝です。
しつこく電話して印象付けた????めでたしめでたしでしたね。