打ち合わせ場所にバスで向かっておりました。
いつものようにぼ〜っと窓の外を眺めていたのですが、あるバス停でバスが止まった時のこと。
バス停には歩行器を前にバス停の椅子部分に座っている男性、明らかにバスを待っている女性二人がいて、バスが止まるとその女性二人はさっさとバスに乗り込んだのですが、その男性は動く気配がないのでそのバスには乗らないのだろう、と思っていました。
しかし、その男性、バスに向かって何か言っています。「マダム!マダム!」と私ではない誰かに呼びかけているようです。
そこでふと、もしかしたらこの男性はこのバスに乗りたいのか?と思った私。
イギリスの1階建バスは車椅子が乗れるように降り口から板がびょろ〜んと出る仕組みです。
しかし、その男性は車椅子でなく歩行器。歩行器だったら自力で立ち上がれるのではないか?そしてバスが止まるときに運転手に何らかのサインを送るはずではないか?
私の座った席はバスの進行方向左側、降り口の近く。降り口は頭の後ろにあり、状況を完全に把握しているとは言い難い位置。
どうする?と思いつつも、それらの諸状況に加え、打ち合わせに10分ほど遅れている状況。
数秒葛藤し、何もしないと決めて、そのままバスはバス停を後にしました。
そっと後ろを見たら、入り口付近のもっと状況把握できる場所には数人人がいたし、イギリスの人はそういうとき絶対手伝うので、多分私の気にしすぎか?ということに無理やり落ち着いたのですが。(その男性、独り言を言ってただけとか)
なんとなく解消されない思いが残る一件でした。
